TSMCのチップ水冷の研究の理由
2021/07/14
TSMCがVLSIシンポジウムでチップ自体を直接水冷をする技術について講演を行いました。
🟩チップの集積密度が高くなっている
半導体をチップが小さくなり、発熱する量が増えるほど、熱の密度が高くなり冷却するのが難しくなる。半導体プロセスが進化しての回路密度が高くなり、さらに3Dパッケージ(垂直方向にチップを積み上げる技術)が進みみ、放熱はチップの冷却な重要な問題になっている。
TSMCは解決法としてチップに直接冷却液を流すこれを検討している。
🟩チップ直接水冷が必要な理由
現在データセンターでは数100watt発熱するnVIDIAやインテルのチップを冷却する手段として水冷が使われることがある。熱密度が高ければ高いほど冷却は難しいため、チップのような小さな面積で数100 Wの範囲の廃熱を処理するのは簡単ではない。
TSMCの目標は1平方ミリメートルあたり10W(10 W /mm²)の冷却技術開発すること。チップのサイズにもるが、500mm²のチップ場合2000 Wクラスの冷却をすることになるので、とても高い目標となっている。
🟩まとめ
TSMCのチップ水冷の研究の理由はチップの集積密度が高くなることを見据えたもの
ムーアの法則により集積度を高めてきた半導体だが、Morethanムーアを見据えて様々なアプローチがされている。チップだけではなく、チップをどう実装して冷却する技術もキーになる。日本での3Dパッケージング技術の開発にも期待したい。