PTSD原因の悪夢に介入するApple Watchのアプリ、FDAが承認
2020年11月9日
Apple Watchのアプリを使って、悪夢障害や心的ストレスを改善することができるようになるかも知れません。米食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)が、サードパーティーの悪夢改善アプリを新たに認可したことが分かりました。
悪夢を見ていると振動で介入
消費者の誤解を防ぎ、正しい使用法を規定付けるべく、多くの先進国が医療や食品、化粧品の表記に厳しい目を光らせています。日本であれば厚生労働省、米国ではFDAがこうした政府当局に該当します。
今回FDAが新たに認めたのは、外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)などに由来する悪夢障害を改善する、NightMareのApple Watch向けアプリです。このアプリはApple Watchのモーションセンサーや心拍数データを用い、ユーザーが睡眠時に悪夢を見ていると判断すると、振動して夢に介入する(≠起こす)機能を持っています。
Apple Watchとヘルスケアの相性
アプリによって実際に悪夢障害が改善されるかは不明ですが、FDAが判断したという事実は、少なくとも一定の効果が認められたことを意味します。事実、アプリは誰でも気軽にダウンロードできるわけではなく、障害の治療にあたって医師の処方によって初めて利用が可能となるようです(誰しも気軽に使えるような状況では、ユーザーによってはホラー映画を視聴中に突然アプリが警告してくるような事態も想定されます)。
今回の認可は、Apple Watchとヘルスケアの好相性が改めて確認された例だと言えるでしょう。AppleはApple Watchを医療品としては扱っておらず(血中酸素濃度測定はFDA未認可)、様々な課題も現状では指摘されていますが、生活の質向上に繋がることは多くのユーザーが認めるはずです。