米インテル、イスラエル同業を60億ドルで買収へ=関係筋

2022年2月15日 [14日 ロイター] - 米半導体大手インテルは、イスラエルの同業タワーセミコンダクターを約60億ドルで買収することで合意に近づいている。事情に詳しい関係筋が14日明らかにした。今週中に発表される可能性があるという。 インテルは半導体受託製造ビジネスの強化に力を入れている。 買収が実現すれば、世界的な半導体不足があらゆる製品の製造に支障をきたす中、台湾積体電路製造(TSMC)が独占的地位にある半導体受託製造業界でインテルの存在感が増すことになる。 タワーセミコンダクターは自動車や携帯電話、医療、航空産業で使われるアナログ半導体の製造に特化している。 買収観測で、タワーセミコンダクターの米上場株は14日引け後の取引で53%急伸した。14日終値時点の時価総額は36億ドル。 インテルもタワーセミコンダクターもコメント要請に応じていない。 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に買収観測を伝えた。 インテルは先月、最大1000億ドルを投じ、米オハイオ州に世界最大級の半導体製造工場を建設すると発表。アジアの製造拠点への依存度を下げる戦略の一環とみられる。 ソース:米インテル、イスラエル同業を60億ドルで買収へ=関係筋…

欧州半導体法案、産業界はEUレベルの協調や国際協力の必要性も指摘

2022年02月10日 欧州委員会は2月8日、半導体チップのEU域内での生産拡大を支援し、自給体制の強化を目指す「欧州半導体法案」(2022年2月10日記事参照)を提案した。発表を受けて、欧州家庭用電気機器産業協会(APPLiA)は同日、EU産業の主導権、生産力の強化につながる、正しい方向へ一歩踏み出した、と法案を評価した(欧州半導体法案に対するAPPLiA声明文)。APPLiAは、全ての半導体ユーザー企業への安定供給は引き続き最重要課題としつつ、次世代半導体技術の開発の促進も重要だと指摘した。また、現在の半導体の供給不足は生産だけでなく、サプライチェーン、製品のアフターサービスにまで影響を及ぼしており、結果的に、新しく導入される製品規制への対応に遅れが生じていると主張。短期的、長期的な課題解決のために、早期の欧州半導体法案の採択を求めた。さらに、同法案が、各加盟国の努力を支援しつつも、工場建設をめぐって各国の補助金競争になってはならないとし、EUレベルで調整された戦略を取るうえでの基盤となるべきだと述べた。 情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパも同日に発表した声明で、欧州半導体法案が、半導体チップの設計も含め、域内での生産体制の構築に焦点を当てたことや、生産拡大のため新工場建設、建設許可に係る認可プロセスの簡素化が提案されたことを評価した(プレスリリース)。一方で、半導体の供給状況を把握するために導入するとされた監視制度について、企業の負担や内容が重複するリスクを避けるためにも、加盟国への報告者となる業界団体などの報告義務は最小限の範囲にすべきだと主張した。また、加盟国から拠出される予算額や使途が明確にされていないと指摘し、特に研究開発分野について、その規模などをより明確にすべきだとした。さらに、「国際的な協力の重要性を無視してはならない」として、例えばEU米貿易技術評議会(2021年9月30日記事参照)などを通じて、地政学的にバランスが取れた生産体制を構築し、世界の各地域間の提携を推し進めるために、EUと同様に、半導体の増産に取り組もうとする国・地域と歩調をしっかり合わせていくことが重要だと述べた。 グローバルなサプライチェーンの多様化や民間投資も必要と主張 また、欧州自動車部品工業会(CLEPA)は2月2日、法案発表に先立ち、半導体法案に関する提言書を発表していた(プレスリリース)。CLEPAは提言書において、半導体の特定地域への供給依存を避けるには、EUの政策は、EUの自律性よりむしろグローバルなサプライチェーンの強靭(きょうじん)化や多様化に焦点を当てるべきで、イノベーションには国境を越える協力や貿易、投資が必要だとして、日本や米国などとの協力の重要性を指摘した。また、域内生産拡大には、相当な公的インセンティブも必要となるが、民間投資を促進させることも必要だと主張した。 ソース:欧州半導体法案、産業界はEUレベルの協調や国際協力の必要性も指摘(EU)…