韓経：半導体需給難ＳＳＤに拡大…「サムスン電子も納期延期」
半導体供給不足がメモリー半導体市場まで広がった。メモリー半導体が使われるデータ保存装置でノートブックやサーバーなどに幅広く使われているソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）の供給が円滑でない。ファウンドリー（半導体受託生産）工場の稼動中断などによりＳＳＤの頭脳の役割をするコントローラーチップが不足しているためだ。下落が予想された４－６月期のＳＳＤ価格は供給不足の余波で最大８％上がるだろうという見通しも出てきた。 半導体専門市場調査会社のトレンドフォースは１０日、４－６月期の企業用ＳＳＤ価格見通しをこれまでの「前四半期比０～５％下落」から「０～５％上昇」に調整した。消費者用ＳＳＤ価格は「３～８％」上がると予想した。これまでの見通しは「横ばい」だった。 ＳＳＤ価格見通しが変わったのはＳＳＤ用コントローラーチップの供給不足のためだ。ＳＳＤはＮＡＮＤ型フラッシュなどデータを保存するメモリー半導体で構成される。コントローラーチップはＮＡＮＤ型フラッシュのデータ処理順序などを決める頭脳の役割をし速度を左右する核心半導体だ。ＮＡＮＤ型フラッシュが本を並べておく書斎ならばコントローラーはデータをいつどこに入れて引き出すのかを決める司書のような役割をする。 このチップはサムスン電子、ＳＫハイニックス、ファイソン、シリコンモーションのような半導体企業の注文を受けてファウンドリー企業が生産する。昨年末から台湾ＴＳＭＣなどファウンドリー企業の生産能力が需要に追いつかず不足し始めた。トレンドフォースは「コントローラー不足によりＳＳＤメーカーの納期が延期されている。４－６月期の価格引き上げ要因になるだろう」と予想する。 自社ファウンドリー施設である米テキサス州オースティン工場でコントローラーチップを自ら調達していたサムスン電子は先月中旬までは問題のない状況だった。オースティン工場生産量の１０％が自社のコントローラーチップに割り当てられる。ところがテキサス州を襲った寒波により先月１７日からオースティン工場が止まった。最近稼動を再開したが正常稼働まではさらに時間が必要だという分析が出ている。サムスン電子もコントローラーチップ不足状況に直面することになったのだ。 サムスン電子などはサーバーやノートブックを生産する主要ＳＳＤ顧客に書信を送り需給状況を説明中だ。半導体業界関係者は「多くの顧客からＳＳＤ不足と供給日程についての問い合わせがきている」と話した。 一部外信は「ＳＳＤ供給遅延状況が相当期間続くだろう」という観測を出している。台湾ではサムスン電子が顧客に「５月までコントローラーチップの供給不足は解消されないだろう」という内容の書簡を送ったという報道も出てきた。サムスン関係者は「コントローラーチップの在庫が残っておりＳＳＤを生産できないほどではない。外信報道は誇張された側面がある」とした。
