テスラ車向けAIチップ製造、サムスン電子の役割拡大へ-マスク氏

2025年10月23日

電気自動車(EV)メーカー、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、テスラ車向けの人工知能(AI)チップの製造で、韓国サムスン電子がより大きな役割を担うことになると述べた。台湾積体電路製造(TSMC)が支配する市場で、サムスンが存在感を強めつつあることを示唆する発言だ。

マスク氏はテスラの7-9月(第3四半期)決算に関する投資家との電話会議で、開発が進むテスラのAIチップ「AI5」でサムスンも生産を担うと述べた。以前は半導体受託生産最大手のTSMCが製造すると示唆していた。

  同氏は、「以前の発言を明確にする必要がある。まずはAI5の製造をTSMCとサムスンの両社に集中する」と述べた。

  マスク氏の電話会議での発言やX(旧Twitter)への投稿によると、AI5は従来の画像処理半導体(GPU)とは設計が異なり、スペースを節約し効率を最大化するために画像信号処理を省略している。

  テスラは自動運転機能や開発中のロボット製品群にAIチップを使う。これらの技術は米半導体大手エヌビディアのハードウエアと併用される。

  マスク氏は7月、次世代チップ「AI6」の生産をサムスンに委託すると表明した。両社が結んだ165億ドル(約2兆5100億円)の契約は、サムスンのファウンドリー(半導体受託生産)部門にとって大きな勝利と見られた。

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  当時、マスク氏はサムスンが前世代チップ「AI4」を製造していて、現在開発中のチップはTSMCに委託すると述べていた。サムスンはファウンドリー業界でTSMCに大きく後れを取っているが、テスラの本拠地テキサス州オースティン近郊にある生産拠点への投資を強化している。

ソース:テスラ車向けAIチップ製造、サムスン電子の役割拡大へ-マスク氏 – Bloomberg